重点ポイント追加B(財務・会計の補足)

自主学習キーワード(財務・会計)

【ファーマの「効率的市場仮説」】について

聞きなれない株式市場の仮設ですが、この分野では常識的な知識かもしれません。
概ね、次のとおりです。

>「株価はあらゆる要素を含み、適正価格である」という仮説
>効率的市場では「経済的利益の平均は0」
>バブルは存在しない
>3つのレベルがある
①過去の株価変動と現在は独立の関係(ウイーク)、過去は予測の役に立たない
②現在の株式に関する公開情報は全て込み(セミストロング)、経済指標や予想は役に立たない
③将来の情報(インサイダー)を全て含み(ストロング)、インサイダー情報も役に立たない

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【工業簿記の問題】
~標準原価計算による「月末仕掛品の原価」について

工業簿記では、「標準原価計算」「全部原価計算」「直接原価計算」と、極めるには時間がかかるのですが、「仕掛品」が期首や期末にある原価計算で、「直接費」と「間接費」をどう扱うかがポイントとなるので、下記にまとめます。

<例>
標準原価の計算 と月末仕掛品原価の計算

1)完成品の原価
標準原価で計算(完成品数量に製品1コあたりの標準原価を乗じて計算します)

完成品原価 (標準原価) = 完成品数量  ×  製品1コあたりの標準原価

2)月末仕掛品の計算
月末仕掛品原価は標準原価と同様の計算
仕掛品は、工場で製作している最中の仕訳となります。
よって、材料を加工していることをイメージします。

加工する際に必要な費用(勘定科目)なものは
①直接材料費
②直接労務費
③製造間接費(メンテナンスなど間接材料費と間接労務費をあわせたもの)
①、②、③を仕掛品勘定での仕訳をします。

3)計算手順
(1)生産データが以下のように与えられているとします
月末仕掛品 100コ (4/5)  4/5まで加工が進ちょく

(2)標準原価は与えられている
標準直接材料費   20円  →そのまま使用
標準直接労務費   30円  →進ちょく分のみ使う
標準製造間接費   50円  → 同上

(3)計算
①標準直接材料費  100コ × 20円       = 2000円
②標準直接労務費  100コ × 4/5 × 30円 = 2400円
③標準製造間接費  100コ × 4/5 × 50円 = 4000円

以上より、

月末仕掛品原価は、
① + ② + ③  = 84,000 円  となります。

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のれん

>企業買収で(買収額-純資産)を「のれん」という
>20年間以内で均等償却する無形固定資産
>販売費および一般管理費に償却費が計上されるので、年度損益に影響
(電通が英国イージス買収で、年268億円、経常利益の4割近くになる)

>負ののれんは特別利益になる

>「のれん」の評価額 買収企業の資産・負債の時価評価
(例)固定資産300(簿価) →固定資産400(時価)と修正する

税効果会計

【繰延税金資産-将来減算一時差異】
①資産:税務上>会計上
・・繰延税金資産(税金の前払い:(例)次期6月に出す賞与のための賞与引当金)
②一時差異:連結会社間で取引して出た一方の会社の利益で、まだグループ内で留って外部からの収入になっていない未実現の利益を消去する時に発生
・・将来減算一時差異(今の利益に対し税金を前払しているが次期より減額する)

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュフロー計算書にいう「キャッシュ」とは、現金および献金同等物をいう

現金同等物には取得日から3か月以内に償還のコマーシャルペーパー(資金調達目的の無担保約束手形)や預入期間が3か月以内の定期預金も含まれる

 

会社法(利益準備金の積立、繰越利益剰余金)

利益準備金・・会社法の債権者保護の目的で社内留保するもの

【剰余金の配当でのきまり】
>準備金の額が資本金の1/4に達するまで積み立てる。
>剰余金の配当は1/10を資本準備金または利益準備金に積み立てる。

【利益準備金の積立額】
1. 資本金×1/4 まで (利益・資本準備金の合計額)
2. 配当金×1/10
1,2,のいずれか少ない方をとる。

【注意】
>利益剰余金を原資とする積立は「利益準備金」に
>資本準備期を原資とする積立は「資本準備金」に

損益分岐点、損益分岐点比率と営業レバレッジ

>損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)**利益の要素が見えないのが良い
>損益分岐点比率 =損益分岐点売上高÷実の売上高

>損益分岐点売上高=固定費÷限界利益率
>限界利益率=1-変動比率
>売上高 - 変動費 =限界利益

>営業レバレッジ×(1-損益分岐点比率)=1
>営業レバレッジ×(安全余裕率)    =1
>安全余裕率 = 1- 損益分岐点比率

株価収益率、一株当たり利益、株主資本利益率

株価の求め方(投資家が重要視する指標のEPSとPER)

株価= EPS×PER  (earning per share)×(price earnings ratio)
株価= 一株あたり利益 × 株価収益率

ここでPER(株価収益率)=BPS×ROE
=一株当たり純資産×株主資本利益率
= (book balue per share) × (Return on equity)

配当モデルなら
株価=(1年後の配当)/{(株主資本コスト)-成長率}

 

株主資本コストと負債資本コスト

A株主資本コスト→自己資本調達のコスト(配当金と値上がり益)
B負債資本コスト→他人資本調達のコスト(借入金の利子)
時価で考える
AのコストとBのコストを加重平均したコストをWACCという

WACC=A×Aの比率 +B(1-税率)×Bの比率
★(1-税率)は節税効果を見込む

☞A株主資本コストについては【CAPM】で求める)
CAPM=Rf + β(RmーRf)
=リスクフリーレート +β×リスクプレミアム
=無リスク国債の期待収益率 +β×(株式投資の期待収益率:Rm-Rf)

☞A株主資本コストを【配当割引モデル(投資家の期待収益率r)】で求める場合
r(e)=D/P + g
=配当(次期)/株の現在価値(今の株価) +配当金の成長率

 

とりあえず以上

重要要点とポイントの整理(B財務・会計)

重要要点とポイントの整理(B財務・会計)です。

【B財務・会計】
【参考書:最速合格!中小企業診断士最強入門テキスト】
Ⅰ-(2)財務・会計

◆重要テーマは次のとおりです。

最速合格!中小企業診断士最強入門テキストのツボ

Ⅰ-(2)財務・会計

本テキストでのテーマ(出題範囲)は次のとおりです。

  • 簿記・企業会計の基礎:決算仕訳・試算表・損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書・税効果会計
  • 経営分析:経営比率分析(収益正、流動性、生産性、成長性)、損益分岐点分析
  • 利益管理:利益計画(限界利益と貢献利益)、プロダクトミックス、予算実績差異分析
  • 資金管理・投資:キャッシュ・フロー、投資評価、M&Aにおける企業価値
  • 証券・金融:ポートフォリオ理論、デリバティブ、オプション取引

以上について、計算問題では、明確に数字が導きさせるか、がポイント。

テーマ1財務諸表(1)
損益計算書」(期首から期末までの経営成績を表す)
企業の収益力を表す5つの利益
>売上高  - 売上原価  =①売上総利益 ・・・・・・・・・粗利益(実質の儲け)
>売上総利益-(販売費および一般管理費)=②営業利益・・・本業での儲け
>営業利益 ± (営業活動以外の損益)  =③経常利益・・・経営活動による利益
>経常利益 ± (臨時的な損益)=④税引前当期純利益・・・・・税控除前の総合的な利益
>税前利益 -(法人税等)    =⑤当期純利益 ・・・・最終利益(株主配当等の源泉)

売上原価の範囲の問題(チェックポイント
非製造業 : 期首商品棚卸高(*)+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
                                                     (*)棚卸減耗分を引く:帳簿と実地の差
製造業  : 期首製品棚卸高 + 当期製品製造原価(*)-期末製品棚卸高
                                                    (*)製造ラインでの人件費・減価償却費・光熱費等含む
貸借対照表」(期末の財政状況を明らかにする財務諸表)
>負債・純資産の部(貸方) ~資金の調達源泉を表す~「流動負債・固定負債」「純資産」
>資産の部(借方)     ~資本の運用状態を表す~「流動資産・固定資産」
>流動と固定の区分は2つ  ①正常営業循環基準 ②1年基準
                ①正常営業循環基準 (通常の商都引きで生じる項目)
                ②1年基準 (1年以内に現金化または消費される項目)

テーマ2経営分析
経営分析の着眼点」は4つ ⇒ 収益性・安全性・生産性・成長性
(1)企業の収益力を見る、収益性分析:資本利益率(売上高利益率×資本回転率)
(2)企業の健全性を見る、安全性分析:自己資本比率(自己資本/総資本×100)
(3)従業員が産み出した、生産性分析:労働生産性(付加価値額/従業員数)
(4)将来への成長可能性、成長性分析:売上高成長率(売上高前年差/前年売上高)

☀別の資料からの経営分析では3つ ⇒ 収益性・安全性・効率性
「生産性」と「効率性」の使い分けについて、
>労働生産性は、財務諸表から直接(従業員数)を見つけることはできません。
>よく「効率が悪いな」と言うように、効率性(売上高/資産)も大事な指標かなと思います。

☀中小企業診断協会発行の「・実施要領」報告書では
収益性・安全性・運用効率と安全性・生産性の4つが出ています
(1)収益性      →資本利益率、売上利益率、経費率(売上高経費比率は必須)
(2)安全性      →流動比率、当座比率、固定資産比率、固定長期適合率
(3)運用効率と安全性 →棚卸資産回転率、売上債権回転率、固定資産回転率
(4)生産性      →労働生産性、労働配分率(一人当たり人件費)
協会の診断実施要領では、企業の切迫した経営状況を真剣に見ようとする、緊迫感がありますね。

☀以上より、大事な指標を列挙します。覚えること。

  • 総資本経常利益率=経常利益/総資本×100
  • 売上高経常利益 =経常利益/売上高
  • 売上高総利益  =総利益/ 売上高
  • 総資本回転率  =売上高/ 総資本
  • 売上債権回転率 =売上高/売上債権
  • 棚卸資産回転率 =売上高/棚卸資産
  • 固定資産回転率 =売上高/固定資産
  • 自己資本比率  =自己資本/総資本×100
  • 流動比率    =流動資産/流動負債×100
  • 当座比率    =当座資産/流動負債×100
  • 固定比率    =固定資産/自己資本×100
  • 負債比率    =負債/自己資本×100
  • 労働生産性   =付加価値額/従業員数
  • 付加価値率   =付加価値額/売上高
  • 有形固定資産回転率=売上高/有形固定資産
  • 労働設備率   =有形固定資産/従業員数
  • 固定長期適合率 =固定資産/(固定負債+自己資本)

【補足】

>当座比率の当座とは・・(当座資本:現金預金、売上金、売買目的有価証券など、すぐに現金化できるもの)

>固定長期適合率(固定資産/固定負債+自己資本)のイメージ

A社 B社
流動資産10 流動負債90 流動資産10 流動負債10
固定負債10 固定負債90
固定資産100 資本金   10 固定資産100 資本金    10
固定長期適合率=100/(10+10)⇒500% 固定長期適合率=100/(90+10)⇒100%
固定比率=1000% 悪い会社 固定比率=1000% 良い会社

>経営資本営業利益率とは・・(営業利益)/(経営資本)*100%

★経営資本とは本来業務で使用されている資本で「建設仮勘定」や「投資その他の資産」を除く

>ROEとは・・株主資本利益率=利益/自己資本のことで、株主資本がいくら儲けにつながったかを見る指標

>正味運転資金とは・・(流動資産-流動負債)でマイナスなら資金不足

★いわゆる運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)とは異なる

最速合格!中小企業診断士最強入門テキストの学習成果のまとめ。
Ⅰ-(2)財務・会計 ~続き~

テーマ1損益分岐点分析

損益分岐点売上高= 固定費/1-変動比率
= 固定費/(1-変動費/売上高)
で求められます。

損益分岐点売上高は「利益=0」
ですから
損益分岐点売上高=変動費 + 固定費
です。

変動費1,080円、固定費520円の損益分岐点売上高は
損益分岐点売上高= 1,080円 + 520円 =1,600円
となります。

ここで「限界利益と限界利益率」について

限界利益 = 売上高 - 変動費
で求められます。
ここで、注意!
限界利益だからといって利益=0でなくてもいいんです。
よって
限界利益 = 固定費 + 利益

利益=0の時の限界利益(=固定費+利益で利益が0)が
損益分岐点売上高です。
よって
損益分岐点売上高=変動費 + 固定費 (利益=0

(例)売上高1,800円、変動費1,080円の 商品の限界利益は
限界利益 = 1,800 - 1,080円 =720円
です。

テーマ4キャッシュフロー

キャッシュフローとは、文字どおり、現金の流れ(動き)のことです。
「貸借対照表」「損益計算書」による決算報告での「利益」「損失」の把握だけでは「売れ残りの不良商品在庫」の抱え込みなどの経営実態の把握ができません。
そこで、決算報告書以外にキャッシュフローをつけることにした訳です。

キャッシュフローは
『財務』・『投資』・『営業』の3つのキャッシュフローから構成されています。
1営業キャッシュフロー
営業活動に伴う金(キャッシュ)の収支、手元に残る金額
売上など「外部からの金の流入」が(+)
仕入れなど「外部への金の流出」が(-)

営業CFは黒字ならプラス(+)でなければならなりません。

2投資キャッシュフロー
投資活動による収支
設備投資、土地の購入など「外部への金の流出」で(-)
有価証券売買では、「買い」が(-)で「売り」が(+)
資産売却では・・・・・・「外部から金が入る」で(+)

投資CFは負(-)が望ましい

★営業CF+投資CFのことを フリーキャッシュフロー(FCF)といいます。
★フリーキャッシュフローは大事、会社が自由に使えるお金だから。
会社が稼いだお金から、事業活動に必要なお金を差し引いた「余剰資金」を表すので、企業の現在価値を表している。

3財務キャッシュフロー
財務活動による収支
貸付金がある・・・・・・「外部へ金が出ている」(-)
借金をする・・・・・・・「外部から金がいる」 (+)

財務CFは負(-)が望ましい (+)なら借金大の可能性

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『キャッシュフロー計算書』(以下CS)の見方
(営業CF)(投資CF)(財務CF)が

①(+)、(-)、(-) 優秀
②(+)、(-)、(+) 良
③(+)、(+)、(-) 良 但し資産売却注意
④(-)、(-)、(+) ハイリスク 借金大で投資
⑤(-)、(+)、(-) 希望なし
⑥(-)、(+)、(+) ほぼ死亡

(フリーCF)=(営+投)     が (+)なら余剰資金あり
事業拡大、借金返済、株主配当など経営改善・拡大のチャンス

~財務・会計はここで参考書復習終了です~
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【追加キーワード学習(財務・会計】

【ファーマの「効率的市場仮説」】について

聞きなれない株式市場の仮設ですが、この分野では常識的な知識かもしれません。
概ね、次のとおりです。

>「株価はあらゆる要素を含み、適正価格である」という仮説
>効率的市場では「経済的利益の平均は0」
>バブルは存在しない
>3つのレベルがある
①過去の株価変動と現在は独立の関係(ウイーク)、過去は予測の役に立たない
②現在の株式に関する公開情報は全て込み(セミストロング)、経済指標や予想は役に立たない
③将来の情報(インサイダー)を全て含み(ストロング)、インサイダー情報も役に立たない

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【特講:工業簿記】
標準原価計算・月末仕掛品の原価

工業簿記では、「標準原価計算」「全部原価計算」「直接原価計算」と、極めるには時間がかかるのですが、「仕掛品」が期首や期末にある原価計算で、「直接費」と「間接費」をどう扱うかがポイントとなるので、下記にまとめます。

<例>
標準原価の計算 と月末仕掛品原価の計算

1)完成品の原価
標準原価で計算(完成品数量に製品1コあたりの標準原価を乗じて計算します)

完成品原価 (標準原価) = 完成品数量  ×  製品1コあたりの標準原価

2)月末仕掛品の計算
月末仕掛品原価は標準原価と同様の計算
仕掛品は、工場で製作している最中の仕訳となります。
よって、材料を加工していることをイメージします。

加工する際に必要な費用(勘定科目)なものは
①直接材料費
②直接労務費
③製造間接費(メンテナンスなど間接材料費と間接労務費をあわせたもの)
①、②、③を仕掛品勘定での仕訳をします。

3)計算手順
(1)生産データが以下のように与えられているとします
月末仕掛品 100コ (4/5)  4/5まで加工が進ちょく

(2)標準原価は与えられている
標準直接材料費   20円  →そのまま使用
標準直接労務費   30円  →進ちょく分のみ使う
標準製造間接費   50円  → 同上

(3)計算
①標準直接材料費  100コ × 20円       = 2000円
②標準直接労務費  100コ × 4/5 × 30円 = 2400円
③標準製造間接費  100コ × 4/5 × 50円 = 4000円

以上より、

月末仕掛品原価は、
① + ② + ③  = 84,000 円  となります。