重要要点とポイント整理(G中小企業経営・中小企業政策)

中小企業経営・中小企業政策の重要要点とポイント整理です。
会社法と中小企業、中小企業の直面する「稼ぐ力」とそれに対する支援策などをまとめます。

其の一 中小企業に関する調査・支援・補助について

☞ 中小企業の分類は、会社法・商法・中小企業基本法で規定されている。
☞ 中小企業基本法ではさらに「小規模事業者」を定義している。

中小企業の実態を把握し、政府が対応していくため定期的に次のような調査をしている。

「経済センサスー基礎調査」
「企業活動基本調査」
「国民給与等実態調査」
等がある。

中小企業に関するもう一つの大事な側面は、資金面での支援措置として次の3つです。
☞ 一「法人税法」による、法人税の中小企業への特例措置
☞ 二 日本政策金融公庫の資金貸付「小規模事業者経営改善資金融資制度」「小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)」
☞ さらには「小規模企業共済制度」などがある。

経営面での中小企業支援としては「中小企業支援法」を中心に、「中小企業等経営強化法」や「小規模企業活性化法」「下請代金法」「小規模企業振興基本法」「中小企業新事業活動促進法」などがある。

関連する法律も沢山あるなか、学習の「コア」は何かと考えると、次のようになるでしょう。
☞ 1)会社の規模・業態と位置づけ
☞ 2)中小企業庁の取り組み
☞ 3)税制特例や補助
☞ 4)低利の融資や信用保証の特例
特に注意すべきは、中小企業の定義と中小企業新事業活動促進法の経営革新に関するテーマ

其の二 会社法

会社運営上、特に重要な法律「会社法」をまとめます。
尚、上場会社には「金融商品取引法」という「投資家」の保護を目的とした法律も大事となる。

まず、会社規模による位置づけについて 過去に整理した内容を再掲します。

◆会社法による「会社の位置づけ」
自分の会社は、大会社なのか、中会社なのか、小会社なのか
まず根本的な関心事について、会社法ではどう位置づけているのか

大会社:資本金5億円以上、負債200億円以上
それ以外:
会社法では、大会社とそれ以外(中小会社)という分類になっている。

◆商法による規定
会社法で大会社以外(中小会社)の会社のうち、小会社は「商法」の規定を用いる 【さらに、財務省法人税率の特例による「普通法人」の定めでも同じで、法人税本則税率19%のところ軽減税率15%を適用している】

小会社:資本金1億円以下、負債200億円未満
よって、資本金と負債額による会社分類は次表のとおりとなる。
(負債額200億円で区分線が引かれている理由は、昭和49年の商法改正時にそうなった、としか分からない)

(資本金)

5億円

1億円

大会社(*会計士監査必要)   大会社(*同じ)
大会社(*同じ)
小会社   大会社(*同じ)
200億円     (負債)
さらに注意を要するのは「中小企業基本法」での規定です。

下表のように①中小企業者と②小規模企業者の範囲を規定している。
(中小企業庁HPより)

業種      中小企業者 小規模企業者
資本金・出資額 常時の従業員数 常時の従業員数
製造業・建設業・運輸業
及び その他  3億円以下  300以下  20人以下
卸売業  1億円以下  100以下   5人以下
サービス業  5千万以下  100以下   5人以下
小売業  5千万以下   50人以下   5人以下

注意☛

中小企業等経営強化法(平成17年制定、平成28年名称改訂)

中小企業の法的支援の目玉とも言える法律で、中小企業診断士試験に出題された年もあります。
経営革新のための具体的計画と数値目標を定め、それを行政がトレースするという内容
情報、人材、資金の弱い中小企業を多面的に支援しながら、融資などでの優遇措置が受けられるようにしたものです。

特徴
1経営革新計画を事業者が策定し、行政が支援する制度で、具体的には次のとおり
全業種を対象としている。
新たな事業活動による経営革新を支援
ここで、新たな事業活動とは
1.新商品の開発又は生産、販売方式の導入
2.新役務の開発又は提供 提供方式の導入

2柔軟な連携体制を手助けしている。
異業種交流等との多様な取組みを支援する

3経営目標の設定
事業者が経営の向上目標を設定、数値目標を達成するための経営努力を行う
行政側は、対応策へのアドバイス、フォローアップを実施

4経営革新計画の実施主体は、様々な形態があります。
①単独の中小企業者
②複数の中小企業者
*共同で計画を策定し、申請することが可。
*代表となる会社(3社以内)を決定しておく

5申請の添付資料
①法人
・過去3年間の営業報告書、損益計算書、貸借対照表
・定款
・登記簿謄本
②個人
・過去3年間の決算書
・住民票
*共同申請
・構成メンバー個々に必要(注意点)

経営革新計画の経営目標(重要)
(1)計画期間  ・・・・・・・・・・3年~5年
(2)目標となる指標
①付加価値
②一人当たり付加価値
③経常利益
(3)承認が対象となる経営数値目標
①②の付加価値は3年後9%、4年後12%、5年後15%
③の経常利益は3年後3%、4年後 4%、5年後 5%

7フォローアップ
承認後、1~2年後にフォローアップ調査(進捗状況調査)が行われる。
8申請先
申請先は通常、県の担当部局、ただし共同出願で構成員の本店の属する県が異なる場合は、国の地方機関

★具体事例
☞ ペットボードヘルスケアの会社
・スマートフォンアプリの開発
・ウエッブメディアとのタイアップイベントの実施
・インターネットを用いたペットヘルスケアのIoTデバイスの試作
*IoTとは、internet of things ものがインターネットのように繋がること

 

其の三 中小企業と大企業の指標の違いについて

中小企業白書が重要

同HPのQ&Aなどから、中小企業の概要をデータとして把握します。

Q1中小企業の数はどれくらいか。また、従業員数はどれくらいか。
☞380万社 で  3300万人(1社あたり9人)・・・・ 年々減少(実質廃業も含む模様)
小規模事業者(個人含む)を除くどっしりとした中小企業数は
☞ 55万社 で  2000万人(1社あたり36人)

小規模事業者
☞製造業・運輸業等20人以下、卸業、サービス業、小売業5人以下
☞325万社 で   1100万人(1社あたり3人)
小規模事業者の内、半分が個人事業主(1人)
☞170万事業主

大企業
☞1.1万人 で  1400万人(1社あたり1300人)

Q2開業率と廃業率はどんくらいか。
☞開業率4.6%(約18万社/年)  廃業率6%(約24万社/年)

Q3事業継続計画BGMの効果は?
BGMは、予期しない災害などが発生したとき、事業の立ち上がりを素早くして、損失を最小限に止めようとする事が主たる目的です。そのイメージは次の通り。

下図参照(中小企業庁ホームページより)

Q4企業規模別に見た無借金経営の比率
☞大企業で42%中小企業で35%が無借金企業
傾向としては、中小企業は2010年から横ばい、大企業は一貫して右肩上がりに増えている。
恐らく大企業では、借金のリスク回避目的ので、グループ間で資金の貸し借りのシステムを構築する企業が増えたのではないか。

Q5経営力(収益性について)【売上高経常利益率の推移】
☞ 2010年より右肩上がり
売上高は右肩下がり  経常利益は右肩上がり  経常利益/売上高も同様

Q6経営者年齢の分布は?
☞全企業の平均では、社長の平均年齢はずっと右肩上がりで、2010年が60歳で2015年61歳となっている。中小企業も同様傾向ですが、更に最も多い年齢は、2010年で63歳、2015年では67歳となっている。

<参考>
◆中小企業白書から抜粋
課題・・・・国内市場の縮小、人材不足、設備の老朽化
対応・・・・稼ぐ力

白書の内容
1現状分析
2稼げる中小企業の取組
3中小企業を支える金融
4中小企業の稼ぐ力

其の四 中小企業白書に見る「稼げる企業」の特徴

中小企業における経営改善の目安の一つが「自己資本比率」の改善にあるが、中小企業白書では「稼げる企業」と「潜在的成長可能性」のある企業を考察する目的で、次の四つに分類して推移等をグラフ化している。

  • ①稼げる企業
  • ②経常利益率の高い企業
  • ③自己資本比率の高い企業
  • ④その他の企業(自己資本比率、経常利益率とも低い企業)

中小企業白書より企業分類図を下記に抜粋表示

◆この「自己資本比率」と「経常利益率」にて分類した中小企業の特徴を中小企業白書ではどう分析しているか
纏めると次のとおりです。

  • 製造業においては「稼げる企業」の割合が低い
  • 売上高経常利益率の推移は、全産業で「稼げる企業」では高い
  • 同上の推移は、自己資本比率の高い企業でも高かったが、2010年以降は低い
  • 一人当たりの売上高は<以外にも>稼げる企業では低水準で推移している
  • 一人当たりの売上高は、製造業に限れば「稼げる企業」も他と差がない
  • 自己資本比率の推移では、「稼げる企業」「経常利益の高い企業」で右肩上がりが続いている
  • 自己資本比率の推移では、「その他企業(自己資本比率、経常利益率とも低い)」で減少が続いている
  • 同上の傾向は、製造業で顕著である
  • 固定資産の取得状況では、「稼げる企業」が積極的に取得投資を行っている
  • 同上の傾向は「経常利益が高い企業」でも同様である
  • 「稼げる企業」は、人材育成費の面でも積極的な姿勢がある
  • 情報化投資でも「稼げる企業」の投資割合が多い
  • 同上については、製造業では「稼げる企業」を含めて低水準で推移している

其の五 中小企業の喫緊のテーマは「稼ぐ力」をどうつけるか

過去最高水準の経常利益となった平成27年度ですが、売上増によるものではないのが頭痛の種です。実際は経費減、人件費と原油価格の低減が主な原因です。

中小企業庁は、中小企業の継続的発展はやはり「稼ぐ力」の醸成にあるとしました。

現状には3つの大きな問題があります。

  • 1 生産年齢人口の減少による人手不足(少子高齢化)
  • 2 設備の老朽化
  • 3 国内市場の低迷

こうした問題を克服するために、次のような指導を行うこととしました。

  • 1 IT活用での生産性向上
  • 2 積極的な設備投資
  • 3 海外市場への展開

これらを官民一体となったリスクマネジメントで支えましょう、というスキームが白書の骨子です。

では、まず
少子高齢化への対応

14歳から64歳までの生産年齢人口が、どんどん減っていき、企業の働き手が不足することへの対応が重要課題です。

中小企業の場合、大企業とは異なり海外移転という選択肢はちょっとリスクと飛躍が大きいので、まずは国内においての現状改善が第一です。

白書では、稼いでいる企業を分析し、「ITの活用」を積極的に行っている企業が利益構造も良いことを重要視し、ITの導入こそ中小企業が発展していくために不可欠と結論付けました。
そして、IT投資を積極的に推奨、支援していくこととしました。

白書では、IT投資の有無により、「売上高」「売上高経常利益率」とも、全産業において、IT投資有の企業のほうが優勢である、と分析しています。

さらに、IT投資効果は、高収益企業の方が高いとの結果が出ています(下図参照)
これは、高収益企業では、単にITを導入するだけでなく、導入に際して色々と工夫しているからだと思われます。

次は設備投資の促進
中小企業の場合、設備投資には慎重で、特に経営者が高齢になればなるほど保守的との分析結果です。
これは、かつて過大な設備投資で失敗した事例を数多く見てきたからでしょうが、やはり常に設備は最新にしていくことがベストには違いありません。
中小企業庁では、「稼ぐ力」に積極的な設備投資が欠かせない、としています。

最後に、海外市場への展開です。
海外に活路を見いだそう、との中小企業庁の助言ですが、ここは米国トランプ政権の方向なども見極め、慎重に検討すべき、と思います。
このテーマについては後日の機会とします。

 

其の六 中小企業の支援策を重点施策

「平成28年度中小企業施策利用ガイドブック」をもとに
中小企業の支援策を重点施策に絞ってまとめます。

平成28年度の重点施策は次のとおりです。

  • 1)震災対策
  • 2)経営改善
  • 3)資金繰り支援

 

それぞれを詳しく見てみます。

1)震災対策(地震・津波・原発事故関連の対象者)
①東日本大震災復興特別貸付
ⅰ支援内容
・中小企業の事業に、 上限7億2千万円(利子1.3%で貸付)
・国民生活関連の事業に上限4.8千万円(利子1.8%で貸付)
~貸付期間 15年以内(据置2年) 運転資金7年以内(3年)~
ⅱ別枠による優遇貸付
貸付期間 20年以内(据置5年)、運転資金15年以内(〃5年)
貸付利子    実質 無利子
②東日本大震災復興緊急保証
ⅰ支援内容
・無担保8千万円まで 信用保証協会の保証がつく
③震災を受けた施設・設備の復旧・整備に対する補助
ⅰ支援内容
・被災の施設等の復旧に国県から補助金(国 1/2以内、県 1/4以内)

2)経営改善
経営改善支援は沢山の事業があるが、①「経営サポート」 ②「商業・地域サポート」
③「相談・情報提供」に大きく分類できる。

①(経営サポート)
ⅰ創業・ベンチャー支援〈資金調達、情報提供等の支援〉
ⅱ経営革新支援  〈資金調達、税制、販路開拓等の支援〉
ⅲ新連携支援   〈補助金、資金調達、アドバイス等の支援〉
ⅳ雇用人材支援  〈人材育成・中小企業診断士、研修、人材派遣等の支援〉
Ⅴ再生支援    〈中小企業再生支援協議会が支援〉
Ⅵ海外展開支援  〈海外展開を総合的に支援〉
Ⅶ取引の官公需支援〈下請取引適正化、官公需の受注機会の増大推進〉
Ⅷ経営安定支援  〈自然災害や倒産対策・BCP等により、経営安定を支援〉
Ⅸ共済制度    〈廃業・引退、取引先倒産に対する備えをサポート〉
Ⅹ小規模企業支援 〈小規模事業者を対象に経営面や資金面で支援〉
ⅩⅠものづくり支援 〈モノ作り(サービス含む)基盤技術の研究開発、人材育成〉
ⅩⅡ技術革新・IT・省エネ 〈補助金、資金調達、情報提供等で支援〉
ⅩⅢ知的財産支援 〈知的財産戦略を支援〉
ⅩⅣ経営支援体制 〈さまざまな相談に応える〉
ⅩⅤ地域における創業支援体制の整備〈市長村と民間事業者による創業支援〉
ⅩⅥ経営強化法による支援〈人材育成・財務管理・設備投資などの取組を記した-
-「経営力向上計画」申請に基づく、固定資産税の軽減措置や各種金融支援〉

②(商業・地域サポート)
ⅰ商業活性化 〈中小商業者、商店街、中心市街地魅力向上への取組を支援〉
ⅱ地域産業支援
ⅲ農商工連携
ⅳ地域資源・Japanブランド〈出会う、ふれあう、地域の魅力」キャンペーン〉

③(相談・情報提供)
○都道府県等中小企業支援センターによる、経営課題等の相談

3)資金繰り支援
①(金融サポート)
~政府系金融機関による融資、信用保証協会による保証など、金融面で支援 ~
ⅰセ-フティネット保証制度
1号 連鎖倒産防止
2号 取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号 突発的災害(事故)
4号 突発的災害(自然災害)
5号 業況の悪化している業種「景気対策緊急保証」
6号 取引金融機関の破綻
7号 金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号 金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

ⅱ特に説明すると
>突発的災害では、被災後3か月の売上が20%以上減の中小企業者が対象
最近の例では

  • 「新潟県糸魚川市の大規模火災」
  • 「台風10号による災害」「熊本地震」
  • 「鳥取県中部地震」が適用

>セーフティーネット保証
無担保8000万円の保証+別枠8000万円の保証、保証料0.9%
一般には適用困難な制度です。
>全体的に適用基準が厳しく、現実に支援を受けるのは特別な場合です
>「経営者保証に関するガイドライン」による手引き
経営者の個人保証について、
 (1)法人と個人の分離  経営者の個人保証を求めないこと
 (2)早期に事業再生や廃業を決断した際に
  ・一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え100万円~360万円)
  ・華美でない」自宅に住み続けられること
 (3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除

以上 個々について、問題を解きながら理解を深めていくこととします。

重要要点とポイントの整理(E経営法務)

経営法務の重要要点とポイントの整理についてです。

その1 組織編制

M&Aについて
M&Aは元々2種類である。(1)Merger:合併と(2)Acquisition:買収である。
M&Aには更に広い意味で(3)会社分割という方法もある。

さらに資本・業務提携といった、発展型の手法が幾つも登場している。 大きく「企業間の事業再編」と捉えれば分かりやすい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~
(1)Merger:合併について
~~~~~~~~~~~~~~~~~
合併には2つある ①吸収合併 と②新設合併 である
~実際にはほとんどが吸収合併で、新設合併は少ない~

◆吸収合併と新設合併の概略
①吸収合併 : A社がB社を吸収する   A ← B ⇒  A社 (B社は消滅)
②新設合併 : 新しくC社を設立     A + B  ⇒  C社 (A社B社は消滅)
〈特徴〉~消滅会社の株主は、存続会社の株主となる~

①吸収合併では、A社がB社の全部を取り込む
②新設合併では、新設C社には、旧のA,B社の株主も含まれる。
合併対価は株でなくても良い。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
(2)Acquisition:買収について
~~~~~~~~~~~~~~~~~
買収には2つある ①事業譲渡 と ②株式取得(方法は6パターン)
まずは、事業譲渡について。

◆事業譲渡:B社の一部の事業をA社に譲り渡すもの。
◆株式取得の6パターン

株式交換:B社の株を買い取り、その株主にA社の株を発行し「完全子会社」
株式移転:同様に、B社の株をA社に移転して、「完全子会社」する方法
株式譲渡:譲渡制限がある場合が多い。この場合、取締役会の決議(取締役会設置会社)もしくは株主総会の普通決議が必要。 優良会社の買収では「のれん」代が発生。不良会社なら不要資産(簿外債務等も)でも引継ことになる
第三者割当増資:新株を発行し、買収企業に引き受けてもらう方法。資金注入で財務基盤強化となる。
TOB:株式公開買い付けのこと
MBO:マネジメント・バイ・アウト。経営陣による買収のこと

~~~~~~~~~~~~~~~~~
(3)会社分割について(広義のM&A)
会社分割にも2つある。ある事業部門を分割・独立させて、新会社を作る手法。
~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆吸収分割と新設分割
〈特徴〉~合併と似ているので注意! 但し、株主の地位は移転しない~
②吸収分割 : A社がB社の一部を取り込む (B社は消滅しない)
②新設分割 : A社の1部門を独立させてC社をつくる (A社を分割会社、C社を新設会社という)

【注意:(過去問より)】

会社分割の特徴を事業譲渡の場合と比べる問題での「キーポイント」は、次のとおり。
会社分割の大きなメリットとして「契約関係を包括して継承できる」点がある。
事業譲渡では、個々の契約者の合意が必要であり、ここに本質的な違いがある。

分割契約内容を6か月記録に残す義務がある
会社分割では、債権者保護手続きをとって包括的に債務を移管できる
事業譲渡では、債務の移転に個々の契約者の合意が必要(前述)
会社分割では、事業の許認可をそのまま承継できる
事業譲渡では、事業認可は同種事業がなければ再取得する
承継資産の対価は、分割、事業譲渡とも金銭・株式・社債等で可
これ以外にも、「資本提携」「業務提携」という言葉を聞きますが、広い意味での企業間提携といわれています。

いずれも、経営権が移動する企業間の再編成ですね。

 

その2 会社法

会社運営上、特に重要な法律「会社法」をまとめます。
尚、上場会社には「金融商品取引法」という「投資家」の保護を目的とした法律も大事となる。

会社法による「会社の位置づけ」
自分の会社は、大会社なのか、中会社なのか、小会社なのか
まず根本的な関心事について、会社法ではどう位置づけているのか

  • 大会社:資本金5億円以上、負債200億円以上
  • それ以外:

会社法では、大会社とそれ以外(中小会社)という分類になっている。

商法による規定
会社法で大会社以外(中小会社)の会社のうち、小会社は「商法」の規定を用いる 【さらに、財務省法人税率の特例による「普通法人」の定めでも同じで、法人税本則税率19%のところ軽減税率15%を適用している】

  • 小会社:資本金1億円以下、負債200億円未満

よって、資本金と負債額による会社分類は次表のとおりとなる。
(負債額200億円で区分線が引かれている理由は、昭和49年の商法改正時にそうなった、としか分からない)

 (資本金)

5億円

1億円

    大会社(*会計士監査必要)   大会社(*同じ)
  大会社(*同じ)
     小会社   大会社(*同じ)
           200億円     (負債)

さらに注意を要するのは「中小企業基本法」での規定です。

下表のように①中小企業者と②小規模企業者の範囲を規定している。
(中小企業庁HPより)

  業種       中小企業者 小規模企業者
資本金・出資額 常時の従業員数  常時の従業員数
 製造業・建設業・運輸業
 及び その他
  3億円以下   300以下   20人以下
 卸売業   1億円以下   100以下     5人以下
 サービス業   5千万以下   100以下     5人以下
 小売業   5千万以下     50人以下     5人以下

◆もう一つ重要なものに「金融商品取引法」がある。

金融商品取引法は、主に上場企業の投資家保護を目的として、法整備されたもので、

会社法の規定に上乗せする形での書類提出を義務づけるものです。

株式公開会社に対し 有価証券報告書の提出 3か月以内 内閣総理大臣へ
タイムリーディスクロージャー 重要事項 証券取引所経由
インサイダー取引の禁止 罰則規定
役員等の会社株式売買制限 6か月以内の利益化禁止

有価証券報告書とは、下記について事業年度終了後「3か月」以内に電子提出するもの

  • ①企業の概要
  • ②事業の状況(業績)
  • ③提出会社の状況(株式の総数・新株予約権等の状況)
  • ④経理の状況(連結財務諸表・財務諸表)

このため、投資家に対して「IR活動(投資家向けの企業情報の発信」が重要になっている。

【問題 :1代表取締役の解職手続き 2取締役の解任手続き を問う】
(解答)
1代表取締役の解職手続き ⇒ 取締役会の決議事項(過半数) / 株主総会 必要なし
2取締役の解任手続き   ⇒ 取締役会 権限なし / 株主総会 普通決議(過半数)
(注意)
株主総会の特別決議についても押さえておく。

その3 独禁法 下請法 消費者保護法 景表法

前回は会社法についてまとめましたが、今回は事業活動をしていく上で重要となる法律についてまとめます。 まずは「独占禁止法」「下請法」そして「消費者保護法」「景表法」の4つがあります。

独占禁止法
市場メカニズムを『公正かつ自由名競争』により正しく機能させ、消費者の利益を守る目的で、主に6つの禁止行為があります。

  • 1)私的独占の禁止
  • 2)不当な取引制限(カルテル、入札談合など
  • 3)不公平な取引方法の禁止
  • 4)事業者団体の規制
  • 5)企業結合の規制
  • 6)独占的状態の規制

(1)私的独占の禁止
①市場を独占する目的で、他の事業者の活動を阻害したり、新規参入を阻止したりすること
②健全な競争が行われない状況を作り出すこと。例えば、不当な値引販売など
(2)不当な取引の制限
①カルテル 懇談会の場で、同業者同士が話をするなど、色んな場面での価格調整を取れる行為を含む
②入札談合 入札に加わらないよう要請なども含む
(3)不公平な取引方法(公正取引委員会指定)
①共同の取引拒絶
②再販売価格の拘束
③優越的地位の乱用
④競争制限的な企業結合
(4)、(5)、(6)については当面(略)

下請法
下請法の適用となるのは、次の4つ
親事業者の義務と下請業者に対する禁止行為を定めている。
①製造委託
②修理委託
❸情報成果物の作成委託(コンピュタープログラム、音声、デザインなど)
④役務の提供委託(事業者が業務として行っている役務サービスの提供)
             (注)建設工事については、建設業法が適用となる

*下請法における親事業者の義務
⇒書面の交付・作成・保存・代金支払の期日設定・支払遅延時の利息など
*親事業者の禁止事項
⇒受取拒否・代金支払の遅延・減額・返品・買いたたき・購入利用の強制・報復措置など

【特定商取引法】
訪問販売、通信販売、インターネット販売などにおける消費者トラブルの防止を目的としている。
⇒広告の表示義務、誇大広告の禁止などが、当面の重要ターゲット
*特に、インターネット通販対策が最近の重要テーマとなっている。
(例)
①あるボタンクリックをすると有料申し込みになるケース
②顧客が内容を十分確認出来ずに申し込みをしてしまう行為への行政処分

消費者保護法(主に3つ)

「消費者保護法」といわれる法律は、主に3つの法律から構成されていて、「消費者基本法「消費者契約法」「特定商取引法」 というのがあります。

  • 消費者基本法」とは、消費者の利益の擁護を目的としている
  • 消費者契約法」とは、労働契約を除く全ての契約で、消費者の不利益の防止を目的としている。
  • 特定商取引法」とは、訪問販売、通信販売、インターネット販売などでのトラブル防止を目的としている。

景表法

不当な表示や過大な景品等による、詐欺的な商取引を誘発するのを防止するもの。
柔らかくいえば、「誤解を与えるような商品・サービスの表示から、一般消費者を守る」ための法律です。
顧客の関心を引くために工夫が度を過ぎると、この法律ににっかかる恐れがあります。
(例)
優良誤認・・・品質やサービス内容で、誤解を与えるような表示の禁止(「産地偽装」の例や、例えば「とんかつ定食」を「ヒレカツ定食」と表示するようなケース)
有利誤認・・・今だけ大特価、NO1などの表示
その他 ・・・不動産のおとり表示、ネットビジネスのおとり表示など

 

その4 知的財産権

「知的財産権」とは、特許庁のホームページによると、次のように書かれています。

人間の幅広い知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたのが知的財産制度です。知的財産権は、様々な法律で保護されています。

さらに「知的財産権」とは、同じく特許庁ホームページによると

第2条2 ・・特許権、実用新案権、育成者権、意匠権、著作権、商標権その他の知的財産に関して法令により定められた権利・・

診断士1次試験では、これら法律の判決事例などがよく出題されているので、まず、全体の基本確認事項、次に個々に分かりやすい例を書き留めます。

1 知的所有権の基本事項

(1)産業財産権(4種類)

 種 類  存続期間   登録料・特許料(毎年)    特記
特許権  出願・20年  初0.23万~最終6万/年 審査有  未納消滅、期間延長可
実用新案  出願・10年  初0.22万~最終2万/年 無審査  未納消滅、  -
意匠権  登録・20年  16,9万円/年 初3年半額   未納消滅、  -
商標権  登録・10年 一括 数十万円+事前調査費等  一括納付、永続更新可

* 特許料・登録料の他、出願時に出願料・審査請求料、また行動発生の都度料金が発生
* 東京五輪のロゴの場合、事前調査費5000万円

(2)その他(著作権・育成者権など)

  種 類    存続期間    内容等
 著作権  著作物の創作発表時から
 著作者の死後50年
コンピュータプログラム
データベース・コンテンツ等
著作物・論文など
 育成者権  農産物の品種登録の権利  品種改良した成果の種など

(3)その他

細かくは、著作者人格権、著作財産権(複製権、上映権、翻訳権など)、肖像権、恩多-ネットドメイン権、回路配置利用権などが有る。

2 特許等に関する話題、一口メモ

特許権

出題が多い。「特許権侵害」についての設問に注意

  • 「切り餅の側面スリット」に対し「上面のスリット」が特許侵害となった件

実用新案権

  • 実用新案は、侵害があってもすぐに差止できない
  • 利点は実体審査がないので、登録までが早い(1~2か月程度)
  • 物品の(形状・構造・組合せ)に該当する場合のみ(製造方法などは特許)
  • 特許対象となる小発明は、実用新案登録3年以内なら特許申請可
  • 健康サンダルのような小発明が、特許とも実用新案ともなる。

意匠権

  • 仮に相違点が多くあっても、特徴的な部分を真似ていれば意匠権違反となる
  • 保護されるのは工業デザイン(大量生産できるデザイン)だけなので注意

商標権

  • ipad商標侵害の話題
    アップル社の敗訴例: アップル社の発売前に中国本土で商標登録されていた件

著作権

  • 著作物(あらゆる形態の制作物)を創作した時点で発生する権利
  • 著作権の期間は50年(映画のみ70年)
  • 海賊版DVDの販売
  • ネット上に画像の無断使用
  • 有料ビジネスソフトの無断インストール販売
  • WEBサイトの真似、コンテンツの無断使用

3 外国への出願事情

「属地主義」に基づき、パリ条約で特許独立の原則が確認されている。

 

~~~ ~~~ ~~~ ~~~

~~~ ~~~ ~~~ ~~~

 

重要要点とポイント整理(F経営情報システム)

経営情報システムの重要要点とポイント整理です。

コンピュータのハードウエアとソフトウエアに関する用語

1 ハードウエア

コンピュータ機器(ハードウエア)は「処理装置」と「周辺装置」で出来ています。ハードウエアは人間で言えば身体、車でいえば車体に当たります。 なお周辺装置は人間の場合、メガネや補聴器、財布といったところでしょうか。 すなわち

ハードウエア
=処理装置(中央処理装置CPU+主記憶装置 ) & 周辺装置
   ☞ ここで、周辺装置には「補助記憶装置」と「入力装置・出力装置」があります
☞ 中央処理装置は更に「制御装置」と「演算装置」で構成されています

~~~~~~~ 詳細は 次のとおりとなります  ~~~~~~~~

処理装置
処理装置は演算装置とともにCPU(中央処理装置)を構成しています。
命令レジスタからデコーダ(解読器)に送られ、コンピュータ的に解読されます。

 CPU(中央処理装置)   制御装置 ⇒作動の処理をコントロール
 演算装置 ⇒四則(+-×÷)論理(or and not)
 主記憶装置  メインメモリー(コンピュータ内に一時的に記憶)
 *電源offでメモリーが消える

    【+】

周辺装置
コンピュータ本体では、演算を早く実行しますが、電源を切ると記録も消えてしまいます。
これを補うのが周辺機器の補助入力装置になります。

 補助記憶装置  ハードディスク、USBメモリー、MO、CD-ROM
   *一時的ではなく、貯蓄的にデータを記憶させる
 入力装置  キーボード、マウス、 OCR(光学的読取装置)
   *音声やタッチパネルもある
   *最終2進数8ビット(1バイト)、32ビット(1ワード)に変換
   *漢字は2バイト必要
 出力装置  プリンタ、ディスプレイなど

2ソフトウエア

ソフトウエアは、機能から3つの役割パーツに分かれます。
☞  A:基本ソフト(OS)、 B:ミドルウエア、 C:アプリケーションソフト
分かりにくいのがB:ミドルウエアで、AとCの仲立ちをするソフトだろう、ぐらいは検討がつきますが・・・ まず、買ったばかりの安いパソコンでwindows10は入っていても、それ以外は何も入っていないパソコンをイメージしてみると良いかも?。

順不動に①③②と整理してみると

①OS(基本ソフト)
・windows10、MacOSや知名度はないが無料のLinuxというのもOS。

③アプリケーションソフト
・一般にユーザである私達が使っているアプリのこと
・有名なmicrosoft officeはマイクロソフト社のアプリケーション(excel,word,powerpointなど)を一括して提供している製品です。
・これ以外にゲームソフトや筆まめ、何やかんやと非常に多種類です。

②ミドルウエアとは
・元来、個人ユーザ対象の製品ではなく法人向けのソフトウエアが一般的
・大がかりなソフトウエアで次のようなものがある
(1) データベース管理システム(DBMS):
●Oracle →Oracle社提供の世界初の商用RDBMS
(RDBMSとは、関係データベース管理システムのこと:relation DBMS )
       ・・・・・ PCから汎用まで幅広いプラットホームをカバー ・・・・・
●SQL-SeaverやMySQL →マイクロソフト社提供のRDBMS
       ・・・同社のアプリと連携して売上を伸ばす専用プログラグラム言語 ・・・・・
(2) 通信管理システム
●LTCP/IP等通信制御を行う。 情報の送受信や選別の通信ソフト
・・・・・ 通常はユーザが直接操作するアプリケーションではない ・・・・・
(3) ソフトウエア開発支援ツール
●VisualBASIC、C言語、Perl等のプログラミング言語でアプリケーションを開発するツール
・・ エクセルでも簡単なソフトを作り出せるが、エクセルは本来アプリ、まだミドルではない?・・
(4)運用管理ツール
●クライアント企業全体の PC管理ツール、WEB/メールのサーバ管理など
●セキュリティソフト

3 その他
ソフトウエアに関する簡略ネームの幾つか
①プログラミング
●SGML  文書を電子化する言語
●HTML  WEBでホームページやブログを作成する言語
②メモリ
●RAM  メモリのこと 電源を切るとメモリは消失(揮発性という) (DRAMは大量低速メモリ、一般のPCに内蔵)
●ROM  電源を切ってもメモリが残る(不揮発性という)     (PROMは一度だけ記入できる、一般にはCD-ROMのこと)
●SRAM  低量だが高速speedのRAM  ⇔DRAMの逆
●EPROM  何回も記入できるROM
③一般
●e-sata  パソコン外付けのHDDと接続させるインターフェイス
●NAS   ネットワークに直接接続して使用する記憶装置(OS機能を備えているという特徴)
●DNS   ドメインネームとIPアドレスを結びつける

データベース管理システム(DBMS) ~ミドルウエアの中心~

コンピュータの本源的な特徴は、膨大なデータの瞬時な処理にあり、このデータベースの管理を任されているのが「データベース管理システム(DBMS)」と言われる【ミドルウエア】です。

歴史から見るDBMS

パソコンなら、「①動かす ②データを蓄積する ③応用・活用する」 の3機能のうちの「ミドル②」を担当するソフトですね。
パソコンは誕生間もなくは「電卓の親玉」と言われたように、データ蓄積・管理がメインで③は学術論文利用程度だった訳。
それが進化とともに、③の活用するアプリが次々と生まれ、いつしか②のデータ蓄積管理はミドルウエアと呼ばれるようになった。

初期⇒「データベースの個人作成(マイデータベース)」 ⇒ 「①データベース管理の汎用ソフトの時代」 ⇒「①」+「②通信管理」 ⇒「①」+「②」+「③ユーザインターフェース」と発達

データを蓄積・管理・編集する、ミドルウエア本来の中心機能は、DBMS(データベース・マネジメント・システム)と呼ばれている。
~黎明期にはユーザが腕を競い合うメイン作業だったが、一握りの勝者がシェアを獲得し、莫大な富を得る企業(マイクロソフト社など)となる。そしてもはやかなり以前から、一般個人が直接操作するものはほとんどなく、ビジネスとしての戦いの場は、アプリケーションの舞台となった。~

では、以下にミドルウエアの機能をDBMSに関する情報をまとめてみます。

◆DB(データベース)の基本は「座席番地(セル)」です。
エクセルの表のイメージですね。
ただし、元来はここに「数字」のみが入ります。しかも2進数
漢字やその他情報は、2進数に変換します

座席番地は行列マトリックスで指定し、座席情報(男女、名前、生年月日などの2進数変換数字)を正しく対応させます。 この対応表が上手く出来ると、これ専用に開発したソフトで上手く組合せが自由になります。

この変換プログラムの元祖はIBM社が開発したSQLで、その後OracleやオープンソースのMySQL、PostageSQLがシェアを増しており、マイクロソフト社が開発した「SQL Server]というRDBMS(関係データベース管理システム)はMS社の製品と連動しています。

◆RDBMS(関係データベース管理システム)では、データの集合体を「テーブル(表)」といいますが、まさにエクセルの表のような行列マトリックスで構成しているからでありましょう。

◆2つのデータベース【表1】【表2】から「★会社ID」をキーとしてRDBMSにより簡単に【表3】を作成する場合のイメージは下表のとおり。

【表1】

個人ID ★会社ID  年齢  購入履歴
 1  A     34   △ ◇  ◎
   2  B   21   ☆  ■
   3    C   50  △ ☆  ◎

【表2】

 ★会社ID  性別  所属    住所
  A   F   人  ・・・・・・・・
  B   M   営  ・・・・
  C  F   情   ・・・・・

【表3】

★会社ID  購入履歴   住所
  A
  B
  C

 

ケーススタディ

専門会社(ベンダー)にシステム開発を依頼する場合の「システム仕様書」に関して

☞ 「厳密な仕様記述入門」というガイドライン(独立行政法人情報処理推進機構IPA)のポイントを整理する。

1仕様とは何か

○「課題」の解決のため、開発すべきシステムをどう駆動させるか、その性質(方法)を定義したもの 〈具体的実現手段ではない〉」
ここで課題とは、(事実と願望)である。
>事実:要求文書、改善案などがある
>願望:企画書、法律、業務ルールなどがある

○仕様は「構造」、「機能」、「状態のモデル」で示される。

2課題・仕様・設計の関係

○ユーザの要求である「課題」解決のため、どんなシステムを開発すべきか「仕様」をまとめ、「設計」に指示する。よって、「仕様」は「課題」と「設計」の間に立つ接点(橋渡し)と考えられる。
○「課題」は発注者のニーズで、「設計」は開発者の世界、そして「仕様」はその両方を取りまとめられる人物(或いはグループ)となる。
○ソフトウエアの実装(具体的動作の指示、例えば「Yes」ボタンを押すと「警告音を出す」いう動作)は設計に含まれる。
○m0bile FiliCa(非接触型ICカード)は代表的な成功例

○課題の様相はUML(図が中心の統一モデリング言語)を用いて掴める。この図をもとに仕様(具体的な人はコンピュータが判断できる言語で)表現で表す。

3仕様の具体的説明の道具

VDM(仕様記述言語)を用いて、指示と定義で表す。
VDM(仕様記述言語とはどんなものか、日常言語と対比してみる(例)

論理記号 日本語 英語 VDM
  ∧  かつ  and   and
  ∨  または    or   or
  ⇒  ならば    then  =>

■ソフトウエア開発(システム開発に伴う具体的な設計の成果物としてのソフトの場合)

・ウオーターフォールモデル
・プロトタイプモデル
・スパイラルモデル
などがある。

ここで、システム設計を行う前までの段階を「上流工程」、システム構築の実作業工程を「下流工程」という。

Webアプリケーションの特徴
一般にインターネットを介して使用するアプリ・ソフトウエアのこと
(Webプラウザ上で動くアプリ)で次のような構成をとる。

①プレゼンテーション層(利用者などの対クライアント)
②アプリケーション層(具体的な業務を行うアプリケーションサーバ)
③データ層(利用者のデータを蓄えるDBMS)
これにセキュルティや認証システムが加わってWebシステムとなる。

Webプラウザ動作の仕組み
Webアプリケーションの作成に際して理解しておく「動作の仕組み」とは?

  • 利用者はWebプラウザにWebアプリケーションのURLを入力
  • webアプリケーションを動かすのは、サーバ
  • URLがサーバの場所と名称を定義
  • 目的のwebアプリケーションへのリンクはHTMLでURL記載
  • webプラウザがHTMLを解釈して画面表示

HTMLとXMLの関係 さらにXMLとSORPやSVG、さらにMathML,Smileの関係について

現在、ホームページ、ブログ、検索エンジン、インターネットバンキングなど多くのwebアプリが提供されているが、多くのプログラムはベースのコンピュータ言語の上にHTML言語をかぶせて動いている。

最近はHTMLの進化型としてXML(マークアップ言語)が登場し、使われている。
例えば、HTMLで見出しを <h2>アトム</h2>」

アトム

とするところ、同じくアトムと表記するのですが、<>をtitleとすることでプログラマー(時に自分)からわかりやすい形となります。

さらにこのXMLとSORP(Simple Object Access Protocol)が結びつくと、散らばった文章をひとつにまとめることができる、というものです。
また、
・SVGなら・・・・・グラフィックを扱う
・MathMLなら・・・数式を扱う
・Smileなら・・・・マルチメディアを扱う
などの利点があります。ただ、遅いのと検索エンジンに引っかからないというデメリットもあるようです。

③SORPエンベロープとは何か?
XMLでSORPを展開するとwebがどんどん広がっていきますが、ここでSORPエンベロープとは何かという疑問です。
XMLベースでsorpを用いるとwebサービスを経由した、色々なサービスをオープンに簡単に結び付けて利用することができるようになります。
ここで、SORPメッセージでは、「ヘッド」+「エンベロープ」という組み合わせ表示で、「sorpエンベロープ」という封筒にメッセージが一括して入っているのが特徴です。

~~~

インターネットの基本的「仕組み」

IPアドレス ・・・・・・ インターネットやLANに接続されたPCに割り当てられた「識別番号」のこと。TCP/IPを使用するネットワークで用いられる。

web プラウザ・・・・・ 通常「プラウザ―」と呼ばれ、サイトやブログを閲覧するソフト
シェアは ・・・・・ 55%google chrome 23%Internet Explorer 11%Firefox  5%Microsoft Edge の順となっている。

TCP/IP ・・・・・ Transmission Control Protocol/ Internet Protocolの略で「TCP]と「IP]の組み合わせ。(「IP」が宛先の識別番号、「TCP」が配達便の役割 )

「IP」は通信機器やコンピュータ1台1台に割り振られた識別番号
現在の主流はIPv4(32ビット)
4桁の数字を0と1を32個使って表している(総数2の32乗=43億個)

ところが、このIPv4が足りなくなる心配が生じたので、新しくIPv6(128ビット)を用意し、16桁の数字を0と1を128個使って表すこととした。

IPv4の例 (●、■、▲、◎)の形式 で(●、■、▲)はnetwork名 (◎)はhost名を表す
(11000000.10101000.000000000.00000001)=(192.168.0.1) 最後の1がhost名となる。 (8ビット=1バイト、-、-、-)の10進数で表記

IPv6のパターン (^^^^.^^^^.^^^^.^^^^.^^^^.^^^^.^^^^.^^^^)
(16ビット=2バイト、・・・・・・・)の16進数で表記
~以上、一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンターHPより~

VPN網(Virtual Private Network) とは、SSLなどの暗号化技術によってインターネットなどの公衆回線を仮想的な専用回線として安全に利用するための技術。専用回線ではなく、ネット接続を専用回線のごとく利用する方式。
インターネットVPN、IP-VPNなどの方式がある。

無線LAN・・・・・ネットワーク接続を無線で行う技術。 職場・自宅・マクドナルドなどの飲食店や施設にwi-Fi環境(ルーター)が整備されていると、 パソコンを中心にタブレット、スマホ、レコーダーなどをネットワーク化してその施設内で自由に相互連携できることになる。(写真の保存、プリントアウト、テレビ番組録音など)

暗号化WEPという技術・・・・・無線LANでのデータ送受信はセキュリティー上「暗号化」が必要。
次のものがある。

  • WEP:Wi-Fiで最初の暗号化技術。簡単に見破られて今は使うと危険。
  • WPA:WEPの欠点を改善した強力な暗号化技術、128ビットの一時キーにMACアドレスを組み合わせる

TKIP(WEP改良型で、WPA-TKIPのこと)で現在広く普及している。

■サイバー犯罪 
最近では「SKY」が不正使用に使われるという注意報がでている。

■インターネット詐欺
最近、インターネットバンキングマルウエア(Gozi等)の感染拡大を図るウイルス付メールが日本を標的に大量に送られてきている。
警視庁のtwitter公式アカウントで注意喚起している内容に留意
関連ワード
・ウイルス
・迷惑メール
・不正アクセス
・情報漏えい
ここでは省略。

■セキュルティーに関する用語

SSL暗号方式は、「共通鍵暗号」と「公開鍵暗号」の二つの暗号方式を組み合わせて利用
つまり、データの送受信に鍵を2つ使う(暗号化➡復号それぞれに2つずつ)
ッショッピングのクレジットカード情報送信
・送信(通常文) → 公開鍵 → (暗号文)
・受信(暗号文) → 秘密鍵 → (通常文)

シーザー暗号は最もシンプルで知られた暗号方式で、「秘密鍵暗号方式」の1つ
takesi なら Wdnhvl となる。 ただ、このような暗号は既に解読されている。

重要要点とポイントの整理(D運営管理:オペレーションシステム)

運営管理:オペレーションシステム部門の重要要点とポイントの整理

その1:「運営管理

中小企業診断士試験Ⅳ「運営管理」にはA生産管理とB店舗・販売管理の二つの分野があります。

A「生産管理」は、QCD(クオリティ・コスト・デリバリー)を実現するために
工場などの生産現場におけるノウハウを問う問題となります。

身近な例(ハンバーガー店など)をイメージしながら学習していきます。

◆A「生産管理
(テーマ1)生産管理の基礎知識 → 製造業のコンサルティングに活かせる
 ~ ファストフード店での生産管理を「作業マニュアル」で行う場合のチェック項目の例 ~

品質:クオリティー

Q 品質管理

□衛生管理を徹底しているか
□決められた分量を守っているか
□作業手順を守っているか
原価:コスト

C 原価管理

□ミスによる廃棄はないか
□作りすぎによる無駄はないか
提供:デリバリー

D 納期管理

□注文から提供までの時間は決められた時間内か
□混雑時を想定した訓練をしているか

◆Q品質管理の対象には(1)「設計品質」と(2)「製造品質」がある。

・(1)「設計管理」 ニーズに合致した製品(商品)が設計に織り込めているかチェック

・(2)「製造管理」 品質を保証する製造方法とマニュアル整備、さらにその手順どおり製造できているかのチェック

ECRSの原則について

E(エリミネイト:消去)、C(コンバイン:結合)、R(リアレンジ:再編)、S(シンプリファイ:簡素化)の4つの原則をいい、作業工程の「ムリ・ムダ・ムラ」を無くし、主に生産現場での改善を行う。

一連の作業全体の流れの中で

  • ① 無くせるもの
  • ② まとめて一緒にできるもの
  • ③ 効率的にやり方を変えれるもの
  • ④ もっと簡単にできるもの

①から順に④まで、できるものがあれば改善を検討する。
これがECRS(イーシーアールエスの原則)です。

 

テーマ2:モノの作りかたと管理方法       

工程等の管理に関する基本的な用語には、次のものがあります。

  • ECRS:無駄の排除(無くす、統合する、入れ替える、簡素化する)
  • 5S:整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
  • 3S:単純化、専門化、標準化
  • 4M:マン・マシン・マテリアル・マネー・システム

受注生産における課題

  • コスト・見積もりの精度向上
  • 生産から納品までの時間短縮
  • 平準化(受注量)

見込み生産における課題

  • 需要予測の精度向上(ビッグデータの取込)
  • 需要予測に連動した生産がどこまで可能か
  • ~(例:天気による弁当の需要予測から、その日の朝に生産量を決定する)~

品質管理に使用する「QCの7つ道具

  • パレート図
  • 特性要因図
  • 散布図

など
同上の「新7つ道具」とは?

  • PDPC法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • 連関図法
  • 親和図法
  • アローダイヤグラム法
  • マトリックスデータ解析法

これらは実際の問題で、どうなのかを分析しつつ学習法を探ることにします。

その他
工場レイアウトプランニング(SLP:システマ・・レイアウトP)のいろいろな手法
P-Qチャート
最初の一歩として、製品ごとの生産量を正確に把握するための手法
~『プロジェクト(製品)-クオンティティ(生産量)』の分析にグラブを使って表す方法~

  • 横軸 ⇒ 製品種類  / 縦軸 ⇒ 製品毎の生産量
  • ・・・ 製品種類は 生産量が小なら、グループ別、機能別にまとめることがある ・・・

運搬活性指数
「4つの動作」における「手間」を 5段階評価(0,1,2,3,4,5)する
運搬活性化指数=4-(手間の数) ⇒「0 が最も動きがなく、活性していない」 

(表の見方)

状態 まとめる 起こす乗す 積上げ込む 移動する 手間数 指数
床にバラ置き
束か容器 ×
パレットの上 × ×
台車か車両 × × ×
ベルトコンベア上 × × × ×

 

テーマ3: 売れる店舗づくり

(1)店舗レイアウトと客動線

◆客動線を考えた店舗レイアウトの例

(例:コンビニ)

基本のレイアウトの常識は
「入口 → 近い棚 → 順に歩いて → 1番遠い棚に需要大の商品」
といった客の流線を店内に長く誘って、多くの商品を見せることにあります。

すなわち
動線コントロール」がポイント

この動線の途中に「マグネット商品(魅力ある商品)」を散りばめて、意図的に客動線を長くする方法
これを「動線コントロール」といい、この手法により、入店歩行途中の衝動買いを誘う、という手法です。

参考として、小売業における基本キーワードを覚えます。
客単価=(買い上げ個数 × 商品単価)/客一人
売場生産性=売上高÷売場面積

(2)売れる店舗の照明

照明は「ただ明るくすればよい」というものではない。 いろいろな目的で考えて設置する。また、ディテール的にも「宝石などの貴金属や買回品など」それぞれの特徴から、照明もこだわる必要がある。

照明の基本
店舗では、通常、入口よりも奥をより明るくするのが一般的である。
たとえばコンビニでは、入口〈照度1〉に対して奥の陳列棚〈照度2~4)とするのが常識となっている。

照明の目的(役割)

  • アピール :店舗の存在自体を知らせる
  • イメージ :商品のイメージを演出
  • 回遊   :顧客を店舗内に長く見てもらう
  • 購買意欲 :明るさや色で、購買意欲をそそる
  • 差別化  :明るさや色で、他と違う雰囲気を創造する

証明に関する基礎知識
店舗・事務所等の照明の目安となっているのは「照度:ルクス(jis規格)です。
ついでに、照度、光度、光束、輝度について一口メモ作成

  • 照度:ルクス(Lx)光度/(距離)の二乗
  • 光度:カンデラ 光源の光の強さ
  • 光束:ルーメン 人間の目に入る光の量
  • 輝度:カンデラ/㎡  人の目に反射して見える明るさ

売り場や商品を演出する色彩
1)フェイスアウトの陳列では、明るい色彩の商品を前に
2)陳列棚では、上部を白く、下部を黒っぽい色に
3)フェイスごとに、上から下まで同じ色を使う.
4)左右で、色を変える場合には、色相環図(虹色の順)に従うと、売り場に連続性が出る。
5)優しい印象は、明度(色の明るさ)が高い白色がよい。ベビー用品は白っぽいが好まれる。
6)オクラは緑色の袋に、ミカンはオレンジの袋に、同化現象でより美味しく見える。
など

売り場を演出する色彩の基本

    上部   白を基調に軽い色 を選ぶ
  下部   黒を基調に重たい色を選ぶ

 

テーマ4:商品陳列の知識

◆陳列棚の「ゴールデンゾーン」とは、最も手を出しやすい(0.6m~1.5m)の範囲、位置のゾーンのこと。

  • 陳列棚の「ゴールデンゾーン」
1.8m~2.1m 手に取りにくい高さ POP 商品サンプル、在庫
1.5m~1.8m 手に取れる高さ 主力でない商品(大人向け)
0.6m~1.5m 手に取りやすい高さ

ゴールデンゾーン

目玉商品 主力商品

季節商品 売上勝負

0.3m~0.6m 手に取れる高さ 主力でない商品(子供向け)
0~0.3m 手に取りにくい高さ その他低頻度商品 在庫

フェイシングとは、「陳列の最前面の数を決めること」
フェイスング管理のポイント

  • 商品ごとに最適な面を「フェイス」すること
  • 同系列の商品は縦(上下)に陳列する。(幅は0.9mまで)
  • 商品を見比べる場合は横(左右1.8mまで)に陳列
  • 重点商品は多く

以上を基本として、実績データを見ながら変えていく。

品揃えを考える指標「GMROI」(グロス・マージン・リターン・オン・インベストメント)
流通業における「資本利益率」のことで、「交差比率」も同様に活用する。
◆小売業において、マーチャンダイジング活動を行っていく指標で、企業の管理会計の分野に相当する。

    1. GMROIは、品揃えを「売上総利益」と「商品回転率」を高める視点で見る
    2. =売上総利益/平均在庫高(原価)*100
    3. =(売上総利益/売上高) * (売上高/平均在庫高(原価)*100
    4. 交差比率もGMROIと同様に使う。売価で計算するので掴み易い
    5. =売上総利益/平均在庫高(売価)*100
    6. =(売上総利益/売上高) * (売上高/平均在庫高(売価)*100

チェックポイント
GMROIの数値が高い商品は、「少在庫で高利益」の優良商品を表している。

売価値入率についての過去問
(問) 下記の場合の粗利益率を計算せよ。

  ・仕入単価 80円  1000個仕入れる
・売価値入率20%
・800個 ⇒ 定価販売
・200個 ⇒ 10%値下げ

(解答)平均売価=(100円×800+90円×200)/1000個
=98円/個

売価値入率=(98円―80円)/98円 * 100
=18.4

本日は以上。

重要要点とポイントの整理(C企業経営理論)

「企業経営理論」は、一次試験のみならす、二次試験、さらには合格後もフル活用できる分野

◆出題範囲
一次試験の出題範囲は1「経営戦略論」2「組織論」3「マーケッティング論」が各1/3ずつですが、組織論がやや多く、且つ労働関連法規が必ず4~5問出題されるのでマークしておく。

テーマ1 経営戦略論その1:「企業戦略としてのSWOT分析」について

    • 内部環境を(強みと弱み)から分析する Strength と Weakness
    • 外部環境を(機会と脅威)から分析する Opportunity とThreat

【内部環境分析】           【外部環境分析】
SW                  OT

Strength      (強み) Opportunity   (機会)
Weakness  (弱み) Thereat     (脅威)

SWOT分析の活用例
戦略課題を考える手順での位置づけ
手順1  中長期的な会社のあり方(ビジョン)を設計する
手順2  SWOT分析を行う
手順3  重要ポイントの洗い出しを行う
手順4  脅威を機会と捉える 強みを活かし弱みを補強するための課題を設定

SWOT分析の行い方、留意点
①バリューチェーン、ポジショニング、PEST分析などを上手く使い効率的に行う
②将来の状況変化をしっかりイメージする。
③機会と脅威分析(外部環境分析)で、自社や市場の環境変化、ライバル社の有無や、さらには、TTPやIT革命といった世の流れも読む
④強みと弱みの分析(内部環境分析)で、自社の強み弱みを競合他社や具体的データによって正確に分析する

クロスSWOT分析

SWOT分析だけでは情報収集のレベルであることが多い。
戦略立案のレベルに達するためには「クロスSWOT分析」の手法を用いて
強み(S)を活かして、機会(O)に対応する戦略を立てる必要があります。
クロスSWOT分析により、経営戦略の中核である「戦略ドメイン」を確立します。

クロスSWOT分析はどのようにするか
1.SWOT分析の情報を元に、それぞれをクロスさせ4つの問いに答えます。
2.最優先は「強み(s)を活かして機会(O)を勝ち取り、シェアを拡大すること」です。

3.分析と課題解決マトリックス

強み (Strength) 弱み(Weakness)
   機会

(Opportunity)

強みを活かして機会を勝ち取る 【最優先】 弱みを補強して機会を逃さないようにする
脅威

(Threat)

強みを活かして脅威を最小限に止める。更に機会に変える。 最悪のシナリオを回避する

戦略ドメインの確立から、事業ドメインの確立

3つの要素 ①誰に(標的になる顧客)②何を(顧客のニーズ)③どのように(独自ノウハウ)から、問題点と対応策を立てていく。

テーマ2:モノの作りかたと管理方法       

工程等の管理に関する基本的な用語には、次のものがあります。

  • ECRS:無駄の排除(無くす、統合する、入れ替える、簡素化する)
  • 5S:整理、整頓、清掃、清潔、しつけ
  • 3S:単純化、専門化、標準化
  • 4M:マン・マシン・マテリアル・マネー・システム

受注生産における課題

  • コスト・見積もりの精度向上
  • 生産から納品までの時間短縮
  • 平準化(受注量)

見込み生産における課題

  • 需要予測の精度向上(ビッグデータの取込)
  • 需要予測に連動した生産がどこまで可能か
  • ~(例:天気による弁当の需要予測から、その日の朝に生産量を決定する)~

品質管理に使用する「QCの7つ道具

  • パレート図
  • 特性要因図
  • 散布図

など
同上の「新7つ道具」とは?

  • PDPC法
  • 系統図法
  • マトリックス図法
  • 連関図法
  • 親和図法
  • アローダイヤグラム法
  • マトリックスデータ解析法

これらは実際の問題で、どうなのかを分析しつつ学習法を探ることにします。

その他
工場レイアウトプランニング(SLP:システマ・・レイアウトP)のいろいろな手法
P-Qチャート
最初の一歩として、製品ごとの生産量を正確に把握するための手法
~『プロジェクト(製品)-クオンティティ(生産量)』の分析にグラブを使って表す方法~

  • 横軸 ⇒ 製品種類  / 縦軸 ⇒ 製品毎の生産量
  • ・・・ 製品種類は 生産量が小なら、グループ別、機能別にまとめることがある ・・・

運搬活性指数
「4つの動作」における「手間」を 5段階評価(0,1,2,3,4,5)する
運搬活性化指数=4-(手間の数) ⇒「0 が最も動きがなく、活性していない」 

(表の見方)

状態 まとめる 起こす乗す 積上げ込む 移動する 手間数 指数
床にバラ置き
束か容器 ×
パレットの上 × ×
台車か車両 × × ×
ベルトコンベア上 × × × ×

テーマ3: 売れる店舗づくり

(1)店舗レイアウトと客動線

◆客動線を考えた店舗レイアウトの例

(例:コンビニ)

基本のレイアウトの常識は
「入口 → 近い棚 → 順に歩いて → 1番遠い棚に需要大の商品」
といった客の流線を店内に長く誘って、多くの商品を見せることにあります。

すなわち
動線コントロール」がポイント

この動線の途中に「マグネット商品(魅力ある商品)」を散りばめて、意図的に客動線を長くする方法
これを「動線コントロール」といい、この手法により、入店歩行途中の衝動買いを誘う、という手法です。

参考として、小売業における基本キーワードを覚えます。
客単価=(買い上げ個数 × 商品単価)/客一人
売場生産性=売上高÷売場面積

(2)売れる店舗の照明

照明は「ただ明るくすればよい」というものではない。 いろいろな目的で考えて設置する。また、ディテール的にも「宝石などの貴金属や買回品など」それぞれの特徴から、照明もこだわる必要がある。

照明の基本
店舗では、通常、入口よりも奥をより明るくするのが一般的である。
たとえばコンビニでは、入口〈照度1〉に対して奥の陳列棚〈照度2~4)とするのが常識となっている。

照明の目的(役割)

  • アピール :店舗の存在自体を知らせる
  • イメージ :商品のイメージを演出
  • 回遊   :顧客を店舗内に長く見てもらう
  • 購買意欲 :明るさや色で、購買意欲をそそる
  • 差別化  :明るさや色で、他と違う雰囲気を創造する

証明に関する基礎知識
店舗・事務所等の照明の目安となっているのは「照度:ルクス(jis規格)です。
ついでに、照度、光度、光束、輝度について一口メモ作成

  • 照度:ルクス(Lx)光度/(距離)の二乗
  • 光度:カンデラ 光源の光の強さ
  • 光束:ルーメン 人間の目に入る光の量
  • 輝度:カンデラ/㎡  人の目に反射して見える明るさ

売り場や商品を演出する色彩
1)フェイスアウトの陳列では、明るい色彩の商品を前に
2)陳列棚では、上部を白く、下部を黒っぽい色に
3)フェイスごとに、上から下まで同じ色を使う.
4)左右で、色を変える場合には、色相環図(虹色の順)に従うと、売り場に連続性が出る。
5)優しい印象は、明度(色の明るさ)が高い白色がよい。ベビー用品は白っぽいが好まれる。
6)オクラは緑色の袋に、ミカンはオレンジの袋に、同化現象でより美味しく見える。
など

売り場を演出する色彩の基本

    上部   白を基調に軽い色 を選ぶ
  下部   黒を基調に重たい色を選ぶ

テーマ4:商品陳列の知識

◆陳列棚の「ゴールデンゾーン」とは、最も手を出しやすい(0.6m~1.5m)の範囲、位置のゾーンのこと。

  • 陳列棚の「ゴールデンゾーン」
1.8m~2.1m 手に取りにくい高さ POP 商品サンプル、在庫
1.5m~1.8m 手に取れる高さ 主力でない商品(大人向け)
 

0.6m~1.5m

手に取りやすい高さ

ゴールデンゾーン

目玉商品 主力商品

季節商品 売上勝負

0.3m~0.6m 手に取れる高さ 主力でない商品(子供向け)
0~0.3m 手に取りにくい高さ その他低頻度商品 在庫

フェイシングとは、「陳列の最前面の数を決めること」
フェイスング管理のポイント

  • 商品ごとに最適な面を「フェイス」すること
  • 同系列の商品は縦(上下)に陳列する。(幅は0.9mまで)
  • 商品を見比べる場合は横(左右1.8mまで)に陳列
  • 重点商品は多く

以上を基本として、実績データを見ながら変えていく。

品揃えを考える指標「GMROI」(グロス・マージン・リターン・オン・インベストメント)
流通業における「資本利益率」のことで、「交差比率」も同様に活用する。
◆小売業において、マーチャンダイジング活動を行っていく指標で、企業の管理会計の分野に相当する。

    1. GMROIは、品揃えを「売上総利益」と「商品回転率」を高める視点で見る
    2. =売上総利益/平均在庫高(原価)*100
    3. =(売上総利益/売上高) * (売上高/平均在庫高(原価)*100
    4. 交差比率もGMROIと同様に使う。売価で計算するので掴み易い
    5. =売上総利益/平均在庫高(売価)*100
    6. =(売上総利益/売上高) * (売上高/平均在庫高(売価)*100

チェックポイント
GMROIの数値が高い商品は、「少在庫で高利益」の優良商品を表している。

売価値入率についての過去問
(問) 下記の場合の粗利益率を計算せよ。

  ・仕入単価 80円  1000個仕入れる
・売価値入率20%
・800個 ⇒ 定価販売
・200個 ⇒ 10%値下げ

(解答)平均売価=(100円×800+90円×200)/1000個
=98円/個

売価値入率=(98円―80円)/98円 * 100
=18.4

本日は以上。

 

重要要点とポイントの整理(B財務・会計)

重要要点とポイントの整理(B財務・会計)です。

【B財務・会計】
【参考書:最速合格!中小企業診断士最強入門テキスト】
Ⅰ-(2)財務・会計

◆重要テーマは次のとおりです。

最速合格!中小企業診断士最強入門テキストのツボ

Ⅰ-(2)財務・会計

本テキストでのテーマ(出題範囲)は次のとおりです。

  • 簿記・企業会計の基礎:決算仕訳・試算表・損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書・税効果会計
  • 経営分析:経営比率分析(収益正、流動性、生産性、成長性)、損益分岐点分析
  • 利益管理:利益計画(限界利益と貢献利益)、プロダクトミックス、予算実績差異分析
  • 資金管理・投資:キャッシュ・フロー、投資評価、M&Aにおける企業価値
  • 証券・金融:ポートフォリオ理論、デリバティブ、オプション取引

以上について、計算問題では、明確に数字が導きさせるか、がポイント。

テーマ1財務諸表(1)
損益計算書」(期首から期末までの経営成績を表す)
企業の収益力を表す5つの利益
>売上高  - 売上原価  =①売上総利益 ・・・・・・・・・粗利益(実質の儲け)
>売上総利益-(販売費および一般管理費)=②営業利益・・・本業での儲け
>営業利益 ± (営業活動以外の損益)  =③経常利益・・・経営活動による利益
>経常利益 ± (臨時的な損益)=④税引前当期純利益・・・・・税控除前の総合的な利益
>税前利益 -(法人税等)    =⑤当期純利益 ・・・・最終利益(株主配当等の源泉)

売上原価の範囲の問題(チェックポイント
非製造業 : 期首商品棚卸高(*)+当期商品仕入高-期末商品棚卸高
                                                     (*)棚卸減耗分を引く:帳簿と実地の差
製造業  : 期首製品棚卸高 + 当期製品製造原価(*)-期末製品棚卸高
                                                    (*)製造ラインでの人件費・減価償却費・光熱費等含む
貸借対照表」(期末の財政状況を明らかにする財務諸表)
>負債・純資産の部(貸方) ~資金の調達源泉を表す~「流動負債・固定負債」「純資産」
>資産の部(借方)     ~資本の運用状態を表す~「流動資産・固定資産」
>流動と固定の区分は2つ  ①正常営業循環基準 ②1年基準
                ①正常営業循環基準 (通常の商都引きで生じる項目)
                ②1年基準 (1年以内に現金化または消費される項目)

テーマ2経営分析
経営分析の着眼点」は4つ ⇒ 収益性・安全性・生産性・成長性
(1)企業の収益力を見る、収益性分析:資本利益率(売上高利益率×資本回転率)
(2)企業の健全性を見る、安全性分析:自己資本比率(自己資本/総資本×100)
(3)従業員が産み出した、生産性分析:労働生産性(付加価値額/従業員数)
(4)将来への成長可能性、成長性分析:売上高成長率(売上高前年差/前年売上高)

☀別の資料からの経営分析では3つ ⇒ 収益性・安全性・効率性
「生産性」と「効率性」の使い分けについて、
>労働生産性は、財務諸表から直接(従業員数)を見つけることはできません。
>よく「効率が悪いな」と言うように、効率性(売上高/資産)も大事な指標かなと思います。

☀中小企業診断協会発行の「・実施要領」報告書では
収益性・安全性・運用効率と安全性・生産性の4つが出ています
(1)収益性      →資本利益率、売上利益率、経費率(売上高経費比率は必須)
(2)安全性      →流動比率、当座比率、固定資産比率、固定長期適合率
(3)運用効率と安全性 →棚卸資産回転率、売上債権回転率、固定資産回転率
(4)生産性      →労働生産性、労働配分率(一人当たり人件費)
協会の診断実施要領では、企業の切迫した経営状況を真剣に見ようとする、緊迫感がありますね。

☀以上より、大事な指標を列挙します。覚えること。

  • 総資本経常利益率=経常利益/総資本×100
  • 売上高経常利益 =経常利益/売上高
  • 売上高総利益  =総利益/ 売上高
  • 総資本回転率  =売上高/ 総資本
  • 売上債権回転率 =売上高/売上債権
  • 棚卸資産回転率 =売上高/棚卸資産
  • 固定資産回転率 =売上高/固定資産
  • 自己資本比率  =自己資本/総資本×100
  • 流動比率    =流動資産/流動負債×100
  • 当座比率    =当座資産/流動負債×100
  • 固定比率    =固定資産/自己資本×100
  • 負債比率    =負債/自己資本×100
  • 労働生産性   =付加価値額/従業員数
  • 付加価値率   =付加価値額/売上高
  • 有形固定資産回転率=売上高/有形固定資産
  • 労働設備率   =有形固定資産/従業員数
  • 固定長期適合率 =固定資産/(固定負債+自己資本)

【補足】

>当座比率の当座とは・・(当座資本:現金預金、売上金、売買目的有価証券など、すぐに現金化できるもの)

>固定長期適合率(固定資産/固定負債+自己資本)のイメージ

A社 B社
流動資産10 流動負債90 流動資産10 流動負債10
固定負債10 固定負債90
固定資産100 資本金   10 固定資産100 資本金    10
固定長期適合率=100/(10+10)⇒500% 固定長期適合率=100/(90+10)⇒100%
固定比率=1000% 悪い会社 固定比率=1000% 良い会社

>経営資本営業利益率とは・・(営業利益)/(経営資本)*100%

★経営資本とは本来業務で使用されている資本で「建設仮勘定」や「投資その他の資産」を除く

>ROEとは・・株主資本利益率=利益/自己資本のことで、株主資本がいくら儲けにつながったかを見る指標

>正味運転資金とは・・(流動資産-流動負債)でマイナスなら資金不足

★いわゆる運転資金(売上債権+棚卸資産-仕入債務)とは異なる

最速合格!中小企業診断士最強入門テキストの学習成果のまとめ。
Ⅰ-(2)財務・会計 ~続き~

テーマ1損益分岐点分析

損益分岐点売上高= 固定費/1-変動比率
= 固定費/(1-変動費/売上高)
で求められます。

損益分岐点売上高は「利益=0」
ですから
損益分岐点売上高=変動費 + 固定費
です。

変動費1,080円、固定費520円の損益分岐点売上高は
損益分岐点売上高= 1,080円 + 520円 =1,600円
となります。

ここで「限界利益と限界利益率」について

限界利益 = 売上高 - 変動費
で求められます。
ここで、注意!
限界利益だからといって利益=0でなくてもいいんです。
よって
限界利益 = 固定費 + 利益

利益=0の時の限界利益(=固定費+利益で利益が0)が
損益分岐点売上高です。
よって
損益分岐点売上高=変動費 + 固定費 (利益=0

(例)売上高1,800円、変動費1,080円の 商品の限界利益は
限界利益 = 1,800 - 1,080円 =720円
です。

テーマ4キャッシュフロー

キャッシュフローとは、文字どおり、現金の流れ(動き)のことです。
「貸借対照表」「損益計算書」による決算報告での「利益」「損失」の把握だけでは「売れ残りの不良商品在庫」の抱え込みなどの経営実態の把握ができません。
そこで、決算報告書以外にキャッシュフローをつけることにした訳です。

キャッシュフローは
『財務』・『投資』・『営業』の3つのキャッシュフローから構成されています。
1営業キャッシュフロー
営業活動に伴う金(キャッシュ)の収支、手元に残る金額
売上など「外部からの金の流入」が(+)
仕入れなど「外部への金の流出」が(-)

営業CFは黒字ならプラス(+)でなければならなりません。

2投資キャッシュフロー
投資活動による収支
設備投資、土地の購入など「外部への金の流出」で(-)
有価証券売買では、「買い」が(-)で「売り」が(+)
資産売却では・・・・・・「外部から金が入る」で(+)

投資CFは負(-)が望ましい

★営業CF+投資CFのことを フリーキャッシュフロー(FCF)といいます。
★フリーキャッシュフローは大事、会社が自由に使えるお金だから。
会社が稼いだお金から、事業活動に必要なお金を差し引いた「余剰資金」を表すので、企業の現在価値を表している。

3財務キャッシュフロー
財務活動による収支
貸付金がある・・・・・・「外部へ金が出ている」(-)
借金をする・・・・・・・「外部から金がいる」 (+)

財務CFは負(-)が望ましい (+)なら借金大の可能性

~~~~~~~  ~~~~~~~~
『キャッシュフロー計算書』(以下CS)の見方
(営業CF)(投資CF)(財務CF)が

①(+)、(-)、(-) 優秀
②(+)、(-)、(+) 良
③(+)、(+)、(-) 良 但し資産売却注意
④(-)、(-)、(+) ハイリスク 借金大で投資
⑤(-)、(+)、(-) 希望なし
⑥(-)、(+)、(+) ほぼ死亡

(フリーCF)=(営+投)     が (+)なら余剰資金あり
事業拡大、借金返済、株主配当など経営改善・拡大のチャンス

~財務・会計はここで参考書復習終了です~
~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~

~~~ ~~~ ~~~ ~~~ ~~~

【追加キーワード学習(財務・会計】

【ファーマの「効率的市場仮説」】について

聞きなれない株式市場の仮設ですが、この分野では常識的な知識かもしれません。
概ね、次のとおりです。

>「株価はあらゆる要素を含み、適正価格である」という仮説
>効率的市場では「経済的利益の平均は0」
>バブルは存在しない
>3つのレベルがある
①過去の株価変動と現在は独立の関係(ウイーク)、過去は予測の役に立たない
②現在の株式に関する公開情報は全て込み(セミストロング)、経済指標や予想は役に立たない
③将来の情報(インサイダー)を全て含み(ストロング)、インサイダー情報も役に立たない

~~~~~ ~~~~~ ~~~~~ ~~~~~

【特講:工業簿記】
標準原価計算・月末仕掛品の原価

工業簿記では、「標準原価計算」「全部原価計算」「直接原価計算」と、極めるには時間がかかるのですが、「仕掛品」が期首や期末にある原価計算で、「直接費」と「間接費」をどう扱うかがポイントとなるので、下記にまとめます。

<例>
標準原価の計算 と月末仕掛品原価の計算

1)完成品の原価
標準原価で計算(完成品数量に製品1コあたりの標準原価を乗じて計算します)

完成品原価 (標準原価) = 完成品数量  ×  製品1コあたりの標準原価

2)月末仕掛品の計算
月末仕掛品原価は標準原価と同様の計算
仕掛品は、工場で製作している最中の仕訳となります。
よって、材料を加工していることをイメージします。

加工する際に必要な費用(勘定科目)なものは
①直接材料費
②直接労務費
③製造間接費(メンテナンスなど間接材料費と間接労務費をあわせたもの)
①、②、③を仕掛品勘定での仕訳をします。

3)計算手順
(1)生産データが以下のように与えられているとします
月末仕掛品 100コ (4/5)  4/5まで加工が進ちょく

(2)標準原価は与えられている
標準直接材料費   20円  →そのまま使用
標準直接労務費   30円  →進ちょく分のみ使う
標準製造間接費   50円  → 同上

(3)計算
①標準直接材料費  100コ × 20円       = 2000円
②標準直接労務費  100コ × 4/5 × 30円 = 2400円
③標準製造間接費  100コ × 4/5 × 50円 = 4000円

以上より、

月末仕掛品原価は、
① + ② + ③  = 84,000 円  となります。